それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
「あの時亜実に声掛けてよかったよ」


「うん、声掛けてくれなかったら今のあたしたちないもんね!」



──雄大とも出会っていなかった。

二年前の入学式。
クラスに同じ中学の子がいなくて、一人でいたあたしに香莉菜が声をかけてくれた。



『あたし麦田香莉菜!よろしくね』



元気な笑顔で自己紹介をしてくれて、すぐそこに運命の出会いが待っていた。



『香莉菜!』



ホームルームが終わったと同じくらいに、教室のドアから元気な男の子の声。



『あれー昌也はー?』



声の主に気づいて香莉菜が少し大きめの声で話す。

近くにいけばいいのにって思ったよね。



『担任に呼ばれたから代わりに迎えにきてやった!』



香莉菜の席まで歩きながら、元気に話す男の子に少しあっけにとられた。



『誰、こいつ』



香莉菜の横で、ぽかーんとあっけにとられてるあたしに雄大はしかめっ面。



『こいつってなによ!』

< 104 / 349 >

この作品をシェア

pagetop