それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
「もう……でも、ありがとう」



正直、今日はあまりひとりでいたくない気分ではあった。
香莉菜を誘ってみたけど、昌也とデートの約束をしているみたいでさっさと帰っていってしまった。



「なんで雄大と亜実って別れたの?」



2人で歩き出してすぐ、和樹が口を開く。



「え?」


「俺には、喧嘩中のカップルにしか見えなかったけど」



首を傾げる和樹。



「喧嘩中かぁー……」



みんなは普通に別れたと思っているけど、実際は別れ話もしてない。
だから、そんな風に見えるのも当然なのかもしれない。

別れたという現実が心のどこかでは受け入れられていない。

雄大の中では終わった事かもしれないけど、何も言われてないあたしはそこから動き出せずにいる。

あたしの中で、雄大はまだ彼氏のままなのかもしれない。



「もしかしたら、雄大はまだ亜実のこと好きなのかもね」


「え!?それだけはありえない!」



和樹の言葉に一瞬期待する気持ちが浮かんできちゃうけど、すぐにその期待を振り払う。



「なんで?」



和樹が不思議そうな顔になる。

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