それでもやっぱり、君が好き【8/26番外編追加】
あたしのことなんて放っておけばいいのに。
あたしなんて赤の他人なのに。
どうしてこの人はあたしの前からいなくなろうとしないのだろうか。


「じゃあ、うちに来る?」


「は……?」


突然の発言にびっくりして、思わず顔をあげる。


見ず知らずの女を家にあげるなんて、何を考えているんだろう。
若い子が珍しくて、襲おうとしてるのだろうか。
あたしは今日は制服を着ていないけど、この人よりは結構若く見えてるはずだ。



「ちょーっと待っててね」



彼はポケットからスマホを取り出し、耳に当てる。



「あ。俺、俺」



電話の相手がでたみまいでオレオレ詐欺かのような話し方にふと笑いそうになってしまう。

この人はなんだか少しバカなのかもしれない、などと失礼なことも考えていた。



「今から帰る。なんか女の子拾っちゃったから一緒に帰る。ワケありっぽいからとりあえず」



軽い調子で電話の相手と話している。



「え……?」



同居人?
……ってまさか同棲相手!?

それって絶対に女の子を拾ったとか言って連れて帰っちゃダメな場所では!?

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