熟恋ージュクコイー
30代の頃に、一度結婚をしたが、仕事ばかりで家庭の必要性が分からなくなった。

周りから、なぜ結婚したの?と言われる始末。

妻も仕事を大事にしていたこともあり、お互い好きな道で生きていこう、と結婚生活は続かなかった。

これまでずっと仕事ができればそれでいいと思っていた。

でもあの日、なにかが変わった。




後輩で今も俺を慕ってくれる高木くんは、用事がなくてもたまに飲もうと声をかけてくれる。

もちろんこっちからも声をかけることもあるけど、前職の関係上、声をかけづらいと分かってくれているので、ほとんどが高木くんからの誘いだ。

あの日もお互い遅くなったから、と仕事終わりに居酒屋で夕飯と晩酌を一緒にと誘われた。
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