彼氏売買所
「とにかくあんたは相手と恋人の演技を続ける事。いい?」


「なにそれ。それとバイトとどう関係があるの?」


「いいからいいから。あたしの言う通りにしてれば大丈夫」


そう言って真由はあたしの肩を叩いた。


「今度の休日にはダブルデートするから。それまでカップルらしく演技するんだよ?」


「ダブルデートって、本気?」


あたしは目を丸くして聞き返した。


「当たり前でしょ。なんのために彼氏作ってきたの」


真由に言われて告白を受けて来たけれど、デートをするつもりなんて一つもなかった。


言い貸そうと口を開きかけた時、あたしのスマホが震えた。


確認してみると隼人からのラインだった。


《無事に家に帰れた?》


その文章にげんなりしてしまう。
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