惚れ薬
あたしは茫然としたままその後ろ姿を見送った。


「ちょっと青花、今のどういうこと?」


遠くからあたしたちの様子を見ていた真弥がすぐにかけて来そう聞いた。


「あたしにだってわからないよ!」


そう言い返し、机に置かれているペットボトルを確認する。


確かに、ちゃんと減っている。


航はあの薬を飲んでいる。


それなのに、どうして!?


「……もしかして」


何かを考えていた真弥が1つ思い浮かんだようにそう言った。


「なに?」


「本当に好きな相手には効果がないとか?」
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