惚れ薬
そう言って遼太郎の手を跳ね除ける。


「俺、この小瓶のことはネットで知ったんだ。惚れ薬……。これさ、本物だと思う?」


あたしの前でスマホを左右に揺らしながらそう言った。


「……知らない」


「そっかぁ。じゃあ、君のスカートのポケットにあるものって、なに?」


遼太郎にそう言われ、あたしは後ずさりをした。


一体いつから見られていたんだろう。


あたしはスカート上からポケットの中の小瓶を握りしめた。


これだけは、遼太郎に奪われるわけにはいかない。
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