ジンクス
☆☆☆

車の後部座席で揺られながら、あたしはぼんやりと外の景色を見ていた。


健はあたしのことを好きだと言った。


おそらく、あれは演技じゃない。


周りには人もいなかったから、健が演技をする必要もなかった。


でも……。


急展開にあたし自身がついていくことができていなかった。


ズキズキと痛む足を見おろす。


これのおかげだろうか。


ジンクスが本当にきいたのだろうか。


わからない。
< 100 / 252 >

この作品をシェア

pagetop