ジンクス
「作り過ぎたことにすればいいんだよ」


杏が隣からそう言ってくれた。


「あっ」


瞬間、頭の中で花梨の言いたいことの意味が理解できた。


「ちょっと食べる? とか、味見してとかでもいいけどね。恋愛初心者のナツミなら、作り過ぎちゃってっていう方がやりやすいか」


花梨がうんうんと頷いている。


「そっか。それならあたしにもできそう!」


「ナツミならきっとうまくいくよ!」


「頑張れ!」


2人に応援されて、あたしは大きく頷いたのだった。
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