ジンクス
「これがなければもっとスラッとして見えるんだよね」


あたしは自分の姿を確認しながらそう呟いた。


どうせ肉を食べてもらうなら、いらない肉を食べてもらうのがいい。


でも……。


あたしはふと思いつき、鞄の中からカッターナイフを取り出した。


骨まで切り落とすワケじゃないから、カッターナイフで十分だろう。


刃を出し、太ももの後ろに押し当ててみた。


それだけで痛みを伴う。
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