ジンクス
「ナツミって手作りのお弁当なの?」


杏の声に反応した女子生徒たちが近づいて来て、あたしのお弁当を覗き込む。


「う、うん。一応ね」


なんだか恥ずかしくてしどろもどろになってしまう。


「うわ! すっごい上手!」


「本当だ! めっちゃ美味しそう~!」


きゃあきゃあ騒ぐ女子生徒たちに混ざって、男子たちまで興味を持って近づいて来た。


こんなに沢山の生徒に囲まれた事なんて今まで1度もない。


焦りながらも、その中に健の姿を見つけていた。


ドキンッと心臓が大きく跳ねる。


「でっかい弁当だな。これで鞄が重たかったのか」


健のそんな声にカッと顔が熱くなるのを感じる。

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