ジンクス
これで今日の健はあたしに夢中だ。


昨日みたいなことはもう起こらない。


そう思うと、自然と頬が緩んでしまうのだ。


あたしはカッターナイフと自分の腹部へと突き立てた。


切り取れるギリギリの所まで、深く深く突き刺して行く。


痛み止めがよく効いてくれているおかげで、違和感があるだけだった。


そのままカッターを滑らせていくと、真っ赤な血液がボトボトと足元へおちて行った。


「もったいないなぁ」


ナイロンの上に落ちた血液を手ですくい、口へと運んだ。
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