先輩、好きになってもいいですか?
全ての始まり
カーテンから眩しいほどの光がさしこむ。

真新しい机、鞄、靴...私は今日、中学生になった。
今は新しい担任が来るのを待っている。

教室の中には私を含め、7.8人がいるほどだろう。
少し早く来すぎたかな?
そう思いながら私は机に貼ってある席順の通りに座った。

ここが私が過ごす席かぁー。なんて考えていると、後ろからワッ!と声がした。

その正体は小学校から仲良くしていた唯一の友達、千秋(ちーちゃん)だった。

「みっちゃんおっはよー!今日からいよいよ中学生だね!やばい!めっちゃ緊張するんだけど笑。」
と、いつも通り元気に話しかけてきた。
「おはよー。朝からハイテンションだね笑。」
「あったりまえじゃんっ!今日から中学生だよ?それに、美琴と同じクラスだったし!マジ最高!」
「まあね笑。」

みたいな会話をしていると、いつの間にか教室に沢山生徒が集まっている事に気づいた。

そしてチャイムがなり、皆が席に着くと、ガラガラという音がした。
クラス中の視線がそこに集中した。

教室に入ってきたのは、20代くらいの若い男性だった。

どうやらこの人が担任なのだろう。
入ってくるなり少し緊張した感じで話始めた。

「み、皆さん、おはようございます。これからこのクラスの担任となる、村井和彦です。今年から新任として入ってきました。よろしくお願いします!」

ちょっとした自己紹介をして、入学式の説明を終えると、クラスの名簿順で並び、体育館へ移動した。

そこには約200人ほどの生徒がいて、私達は音楽とともに、真ん中にひかれているシートの上を歩いた。
シートの先には椅子が並べられていて、そこにたどり着くまで、とても長く感じられた。

私はコケないことを一心に歩いていたから、恐らく変な歩き方になっていただろう。
今思うととても恥ずかしい...

そんな私の心とは正反対に、ちーちゃんはにこにこしながら上級生の方に手を振っていた。
ちーちゃんには2つ上のお姉さんがいて、その友達とも仲がいいみたいだった。

並び順は、私が神崎美琴(カンザキミコト)、小川千秋(オガワチアキ)だから、ちーちゃん、私の順。
私は小声で話しかけた。

「凄いね!私なんか緊張で脚震えてるしw」
ちーちゃんは私の脚を見て、

「うわ!ほんとだ! でも私も結構緊張してるんだよ?やっぱり第一印象が大事だし。」

私はやっぱりちーちゃんは凄いなと思う。
私にそんな考えはなかった。
この場をやり過ごそう。ただそれだけだった。

しかし周りを見渡すと、200人近くいる人の中に、小学校の頃に少し話した事がある、華(ハナ)ちゃんがいた。

私が会釈すると、手を振ってくれた。
私は少しだけど勇気づいた気がした。
この学校には知らない人ばかりだけど、私の知っている人もいる。
私だけじゃないんだ!

そう思えた。

桜の花をのせた風が窓の外を舞っている。
私の中学校生活、楽しみになってきた。
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