愛は、つらぬく主義につき。
連休の終わり。遊佐の思い付きで、榊と三人で海へ出かけた。
正確には磯焼きを食べにだけど。お昼の情報バラエティ番組で紹介されてたのを観て、我慢できなくなったらしい。
土産物屋さんの店先で炭焼きされてる、焼き醤油の香りがたまらないイカだとかサザエなんかを堪能して、お土産も沢山買った。海は南国みたいに澄んでもないし、碧いって言うにはほど遠い色してた。
岸壁の上から、見渡すかぎりの水平線と蒼天を思い切り胸に吸い込むと。自分のことでいっぱいいっぱいのセカイが、小さくてしょうがなく思えた。ちょっと単純な自分が笑えた。
アスファルトの歩道を、車椅子でゆっくり自走する遊佐に付き合って一緒に歩く。
「宮子と海来たの久々だよなー」
「そーだねぇ、ちゃんとした海は久しぶり?」
「あんまり色んなトコ連れてってやれなくてゴメンな」
さり気なく言われて胸が詰まった。キュッと締め付けられる想い。泣きそうになるからわざと茶化した。
「新婚旅行を世界一周にしてくれればチャラにしてあげる」
「・・・チャラにはなンないだろ」
遊佐は儚そうに笑っただけだった。
いつもわりと飄飄としてるから。本心かそうじゃないのか掴みかねる時もある。でもその時は直感だった。遊佐がいなくなっちゃいそうで急に怖くなった。
「遊佐っ・・・」
思わず前屈みに首に抱き付いてた。
「・・・どした?」
正確には磯焼きを食べにだけど。お昼の情報バラエティ番組で紹介されてたのを観て、我慢できなくなったらしい。
土産物屋さんの店先で炭焼きされてる、焼き醤油の香りがたまらないイカだとかサザエなんかを堪能して、お土産も沢山買った。海は南国みたいに澄んでもないし、碧いって言うにはほど遠い色してた。
岸壁の上から、見渡すかぎりの水平線と蒼天を思い切り胸に吸い込むと。自分のことでいっぱいいっぱいのセカイが、小さくてしょうがなく思えた。ちょっと単純な自分が笑えた。
アスファルトの歩道を、車椅子でゆっくり自走する遊佐に付き合って一緒に歩く。
「宮子と海来たの久々だよなー」
「そーだねぇ、ちゃんとした海は久しぶり?」
「あんまり色んなトコ連れてってやれなくてゴメンな」
さり気なく言われて胸が詰まった。キュッと締め付けられる想い。泣きそうになるからわざと茶化した。
「新婚旅行を世界一周にしてくれればチャラにしてあげる」
「・・・チャラにはなンないだろ」
遊佐は儚そうに笑っただけだった。
いつもわりと飄飄としてるから。本心かそうじゃないのか掴みかねる時もある。でもその時は直感だった。遊佐がいなくなっちゃいそうで急に怖くなった。
「遊佐っ・・・」
思わず前屈みに首に抱き付いてた。
「・・・どした?」