桔梗の華 ~途中公開~


「なんじゃこの騒ぎは!」

引きずられて村の中心に連れてこられた
村の人達が珍しい者を見る目で私を見る



あの身なりは初めて見ると
制服を不思議そうに見てくる




昔の家から袴を着たお婆ちゃんが出てきた。

「瑞様!この得体の知れない者が神威の森でとこでなにやら不審な動きをしていました!」


かむ…いの森?

「ほう、おなご、お主見掛けぬ身なりだが敵国から参ったのか?」

瑞様と言われるお婆ちゃんが
私に問いかける。

「敵国って…私だってなんでここにいるのか知りたいわよ!」

まま…じいちゃん…
きっと心配してる…

じわっと目に涙が溜まる


瑞様は私をジッと見つめる。



この者…普通の人間ではない
巫女の血か…

この者から霊力がピリピリと伝わる


「おなご…主の顔をよく見しとくれ」


瑞様は私に近ずいてマジマジと見つめる

な、なに?

「似ている…ええい!おなご!もっと賢そうな顔をせんか!」

「くっ、ふざけんじゃないわよ!」



やはり…翠子様に似ている。
翠子様の方が可憐で賢い顔をしているが
このおなご…もしや。


「縄を外してやりなさい」


瑞様の一言に村人たちがザワつく。
男の人が縄を解いてくれて拘束されてた
腕と足が自由になった。


「すまなかったな…来なさい。」

瑞様は村人に敵じゃないと言ってくれて
私は瑞様のあとをついていった

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