桔梗の華 ~途中公開~
「さっっっむいいいいいい」

森の奥に滝があり
そこの湖で水浴びしている
腰まである髪を水に浸けて
思いっきり息を吸い込んで
深く潜る



とんでもない事になっちゃったな。

でもきっと闇雲みたいな妖怪が
この勾玉を狙ってくると思うし
私の中に眠る力ってなんだろ


闇雲の時は無意識に光が私から
出ていたみたいだし…
自分に力があるなんて実感はできない


ここの森は妖怪から守られてるって
瑞様はいってたけど、
闇雲は何故入れたんだろ。
やっぱあいつ強いんじゃないの??

私…大丈夫かな





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「瑞様ありがとう!制服干すの手伝ってくれない?」


瑞様が用意してくれた巫女装束を着て
手洗いした制服を干す
神威の妖気を感じる、なんなら視線も
瑞様の家の屋根上から私を見下ろす半妖


「なによ?」

「べ、別に」

「あー…巫女装束だから余計にか」

きっと神威は翠子様と私を重ねている
私は私なのに。
しょぼんとした私に神威は焦る

私の目の前に降り立った

「お前その格好で旅すんのか?」

「制服乾いたら出発しようと思ったけど、嫌なんでしょ?この格好でいられるのが」

「嫌だとは言ってねーよ!」

「じゃあこの格好でいて欲しいんだ?」

「そうとも言ってねーだろ!」

「あのね!私のこと翠子様と重ねて見るんだったら旅なんて出来ないんだから!」



ムカつくムカつくムカつく
私は桔梗、翠子様じゃない
なんでこんなムカつくかは
知らないけど失礼な事じゃない?

ふんっと焚き火に小牧を投げる



「悪かったよ。でも別に重ねてなんかいねーよ」

腕を組みながら遠くを見てる神威
謝った事にびっくりして手が止まる

「うん、わかった。」






「ほー、甘いの~」

遠巻きに私たち二人を見ていた瑞様
そんな事に気付かず神威と私は
制服が乾くのを静かに待っていた。
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