桔梗の華 ~途中公開~

神奈の退屈



「刀だあ〜?だったら一言言えよ」

戻ってきた神威は腰に刀を備えていた
自分の故郷に戻り刀職人に造らせたらしい

凛丸と言う通りだ
ほんとに一言くらい残してくれても…
ムスッとする私に神威は申し訳なさそうに

「すまねえな」

ボソッと謝る神威が可愛く思えて
なんだかんだ許してしまった。

「でもよ〜お前刀なんか扱えんのか〜?」

欠伸しながら凛丸は神威に質問を向ける

「元々俺には刀があったんだよ。まーその刀はぶっ壊されたからなー。別に刀なんかなくても俺つえーから」

「じゃあ何故今更刀なんぞ持ってきたんじゃ!」

帆の言葉にギロりと睨みをきかせる

ひえ!と蘭丸に隠れ、まあまあと
神威を落ち着かせる

でも確かになんで今更なんだろう

「俺が刀を持つのは守りてーからだよ」

チラっと私を見るからつい顔が赤くなる

あれ、神威ってこんな素直な奴だっけ
みんなが見てる前で…

「あーぁ、リンゴみたいに赤くなりやがって」

つまんなそうに前を歩く凛丸がピタっと止まる
私達も妖気を感じて歩く足を止めた。


「近い、」


強い妖気を感じた。
きっとこの森を超えたところ
急ごうと私たちは妖気の元へ走り出した



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