お見合い結婚した夫が最近おかしい件
4章 同窓会は新しい一歩
朝、目を覚ますと、高嶺さんに抱きしめられていた。


私の誕生日以来、一緒に寝るようになって毎日こうである。


初めて目覚めた時は驚いた。朝から絶叫してしまいそうになるほどに。
もちろん、我慢したけど。


その時、妻や恋人を腕枕して、翌日腕が上がらなくなる人は意外に多いのだと整形外科医の友人が言っていたことを思い出した。


高嶺さんの腕が上がらなくなっては一大事だ。というわけで、高嶺さんに話したけど高嶺さんは笑っただけだった。あと、その整形外科医が男性か女性か聞かれた。何故そんなことい聞かれたのかはわからない。


心配で、その話をした整形外科医の友人に連絡したら、「ノロケか?ぶっ飛ばすぞ。」と言われてしまった。解せぬ。あと、彼女は口が悪いが優しい友人である。


高嶺さんは私より体温が高い。その温かさに包まれて、今日も布団から出るのが辛い。未練を残しながら、そっと高嶺さんの腕の中から抜け出す。

私が出たことでできた隙間を埋めるために、布団をかけ直す。

私と高嶺さんが家を出る時間はほぼ一緒なんだけど、私の方が身支度に時間がかかるので、私の方が早く起きるのだ。

最近では軽めの朝食を用意するようになった。パンを焼いてインスタントのスープをつけたり、おにぎりを握ったりするだけだけど。

多分、高嶺さんの方が美味しいものを作れるけど、私が作ったしょぼい朝ごはんをめちゃくちゃ喜んで食べてくれる。


大体の支度をして、高嶺さんを起こしに寝室へ行く。

「高嶺さーん。起きてください。」

軽く揺すると、高嶺さんはゆっくりと目を開ける。寝起きも優雅に見えるのは、贔屓ではないと思う。


< 35 / 37 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop