愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~


知り合いだろうか?
というか、私を挟んで人の頭上で会話するの止めてほしい。
どうせ小さいわよーだ。

拗ねた気持ちで、そっと二人の間から抜けてクリニックを出ようとすると、心さんに呼び止められた。


「ねぇ、君も良かったら一緒にどう?」
「えっ!?」
「真紀の知り合いでしょ? ご飯、付き合ってよ」


と、言われましても。
困って藤堂先生を振り返るが、先生は諦めたように肩を竦めた。


「こいつ、こうなるとしつこいんだ。お前、飯食った?」
「まだ、ですけど……」


すると心さんは「じゃぁ、行こうよー」と私の腕を取った。
そうして断る好きもなく連行されてしまったのだった。







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