海岸通り 〜文治と由以香
外で慌てて履く

こける、逃げる、一目散

あいつらが、文治が追っかけてきそうで、恐い…



走れ走れ… 夢中で駆ける


逃げろ逃げろ…




ん?… ここ、何処?… 道に迷う


引っ越してきてから学校までの道順、母親と何度も往復

しっかり憶えてたはずなのに、どこで間違えた?

気がつけば…全く見覚えのない場所…



お母さん…

心細くなる、涙がこぼれる…


角の公衆電話、名札の裏の十円玉…

覚えたての番号、名札の裏、確認、しっかりゆっくりかける…






「お母さん? 学校にやくざがいる↓」


へし折られた鉛筆、隠された靴、肘の青タン…


母親がすぐに担任に連絡


“ あんな子、また先生に怒られればいい ”…



が、文治は先生に怒られるのはへのカッパ、日常茶飯事

叱られることが習慣化、生活の一部、生活のリズム

由以香を嫌い、攻撃の手を緩めない


小学校卒業まで由以香をいじめぬく…













中学入学式…

由以香は一組、文治は五組

毎年、クラス変えのたびはらはらドキドキ


よかった…、文治と別々、教室も離れてる…

安堵安堵…
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