星降る夜空に祈りを込めて
その頃を思い返せば、初めての恋と初めての恋人に私は周りも見えず盲目になっていたんだろう。


若く、物を知らない。
それは時に人を傷つけ、自分をも傷つける。


無知を言い訳にはできない。
無知は罪であったから……。


私は、働き始めた病院で先輩ナースの厳しくも温かい指導を受けながら、日々何とか仕事をこなしていた。


そんな日々の中で私は恋をした。


恋した相手は一回り以上も歳上の、職場の医師だった。
彼は仕事では厳しいけれど、仕事を一度離れればとても優しく私を包み込んでくれていた。


今振り返り思えば、外で会うことは無く二人で会うのは私のアパートだけ。
デートもせず、会うのも向こうの気がむいた時にだけ私の元に訪れる。
そんな二人の関係には、おかしさしかなかった。


私は彼にとって、単に都合のいい女だった。
リップサービスに喜んですぐに落ちてきた。
そんなお手軽な女だったのだろう。
今になれば分かるが、当時は中々気付かなかった。


私にはそれでも彼が初めての彼氏で、お付き合いも、その先も全て彼が初めてだった。
触れ合う優しさも言葉も、全てを信じきっていた。


疑ってもいなかった。
私は彼に愛されてると、盲目的に信じていたのだ。


そんなこと、あるわけがなかったのに……。
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