星降る夜空に祈りを込めて

透悟さんに話してから、私が抱えた悲しみが少しずつ溶けていき、沈んだ気分に陥る事も少なくなった。


ひとえに、透悟さんが言ったまた来てくれる。
その言葉がストンと私の心に落ちて、それを疑いもなく私も受け入れられたから。
そう、あの時は早く来すぎたのだ。
せっかちなあの子はきっと今度はバッチリのタイミングで来てくれる。
そう思えるようになったから。
ずっと挟んでいたあのエコーはしっかりと保存をして、今は写真立てに入れて家にいる。


いつかまた出会えると、今はその写真立てに微笑みかけられるようになれた。
そして、その写真立ては透悟さんが用意してくれた。
お花に星を飾られたフレームの可愛らしい写真立て。
私の家に来ると、彼もそれに声を掛けている。


私達はあの日を境に、昔とはまたひと味違う感じで穏やかに関係を育んでいるところだ。
今は互いに一緒に居るのが落ち着いて、心地よい。


また気持ちが互いにしっかり重なるならば、次の関係に変わるだろう。


そんな穏やかな日々を過ごして、冬本番に近い十二月も後半。
美希さんの予定日が近づき、日々備え始めていたその日。


夜中に電話が鳴った。
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