iNG 現在進行形の恋【濃縮版】
朝七時。
玄関で私は仏頂面で腕を組んで立っている。

「会社に行くな」

「……過労で倒れたくせに」

私は仁を睨みながらボソッと呟く。
今日もやっぱり仁は朝七時に出るようだ。

「ごめん、仕事あるから」

「行ってらっしゃい」

言うことを聞いてくれない仁に私はそっぽを向いて冷ややかに言葉を投げる。

「莉緒、キスしたいからこっち向いて?」

「やだ。私の気持ちを分かってくれないから」

そう言ったのに仁は強引に私を抱き締めた。
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