一途な溺愛プリンスはベールアップを譲れない
エピローグ

20年越しのプロポーズ

 真っ白な世界に、ふわっと浮かんでいる。

 小さな白い花。

 つるりと丸い、真珠。

 一緒に浮かんだわたしは、大人なのか、子どもなのか。



 あの男の子を、呼んだ。

 可愛い可愛い、大福もちみたいな。


「伶、くん」


 ハッと、目を大きく開いてこちらを見た。

 吸い込まれそうな、澄んだ瞳は、変わってない。


 ……大きくなったね。

 ……かっこよくなったね。

 驚いた顔も、綺麗だなぁ。


 どこまで声に出ていたかわからないけど、慌てて立ち上がり、どこかに行こうとする彼の袖をつかむ。



「伶くん、待って」


 素直に、彼は立ち止まった。
 



「テディベア、ありがとう」



「誕生日に、くれたでしょう」



「ちゃんとお礼言えてなかったね、ごめんね」



「忘れてて、ごめんね」





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