一途な溺愛プリンスはベールアップを譲れない
 麻生 流司(あそう りゅうじ)。

 かつては結婚を意識して付き合っていた、元・交際相手だ。

 私は『元』と強調するが、彼はまだ、別れたことを納得してくれていない。


 付き合っていた頃は自慢の彼氏だった。

 1日何時間一緒にいても足りなくて、次に会える日が待ち遠しくて。

 大好きでしょうがなかった。

 彼もきっと、そう思ってくれていた。


 ――いや、今も。

 私のことを、『愛している』のだと彼は言う。



< 42 / 122 >

この作品をシェア

pagetop