一途な溺愛プリンスはベールアップを譲れない
 廉が“手配”する女性たちは、絶対秘密厳守で夜のお相手をしてくれる、その道のプロだ。

 容姿も気配りも、当然テクニックも最高ランクの女性たち。

 高校を卒業したあたりから、女優やアイドルに手を出してスキャンダルをおこされるくらいならと、廉が“手配”し始めた。

 ……どんなルートを使っているのかは知らないけれど。


「あなたを放っておくの、怖いんですよね。第一、その髪飾りも窃盗ですよ、窃盗」

「う……わかってるよ、今度会ったら返すから」

「どうでしょうか。返す代わりに彼女が口をつけたペットボトルとか、鼻をかんだティッシュとか持ち帰らないでくださいね」

 ……ちょっと欲しい、と思った直後ジロリと睨まれ、内緒の本心を見透かされてしまったようでギクリとする。

「とにかく、先日のようなことがあったら困るんです。塚本さんがあの場にいてくださったから思い留まれたものの」

「わかった、わかりました。もうしません!」

「……当然です」

 
 自分でも常軌を逸した振る舞いだったと反省している。

 あの時は撮影など放り出して、彼女を連れ去り自分のものにしたいと本気で思っていた。

 踏みとどまれて本当によかった。廉の言う通り、塚本さんにも感謝である。


「塚本さんと言えば、来週のスタジオ、彼女も同行するそうです」

「えっ、本当に」

「あなたに謝りたいと言っていましたよ」

「塚本さんが?」

「いいえ、萩元さんが」



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