一途な溺愛プリンスはベールアップを譲れない
第1章 運命のリユニオン

憧れの王子様

『あいつは、やめとけ』

『翔太……?』

『わかってるんだろ。あいつといたって辛いだけだって。いつかうまくいかなくなるって』

『そんなことないよ。私が彼にふさわしくなれるように、もっとがんばれば……』

『がんばるって……無理やり自分を変えてまで? 無理してんじゃねぇか、それ』


 すでに見飽きた感満載のベタベタなストーリー展開の恋愛ドラマ。

 おそらくこの後こちらの青年はヒロインに告白をして。

 流行りのバックハグなんかしちゃったりして。

 “えっ、うそ、ただの幼なじみだったのに”って彼女をどぎまぎさせて。

 ……それでも振られちゃうんだなー、たぶん。


 すでに寝る準備万端の午後10時50分。

 女子力高めのショップで買ったルームウェアを羽織り。

 超高保湿と謳われたシートマスクを顔に貼りつけ。

 ノンカフェインのルイボスティーをすすりながら、凝り固まった首の筋肉をバキボキ言わせてそんなことを思う私は、いつからこんな冷めた女になってしまったんだろうか。



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