僕の妻は理解不能


「ただいまー」

「あ!恭也さん!おかえりなさい!」

エプロン姿でキッチンから顔を出す愛菜が見えた。

可愛いなぁ


「恭也さん、ごめんなさい!
さっき帰ったばかりで…
今作ってるので少し待っててください!」


「どこかでかけてたの?」

加賀くんの言葉と今日気になったことを思い出した。

愛菜…誰と何をしていたんだろう…

「あ、えっと…
その…」

愛菜は答えにくそうな表情をしながら
料理していた。

僕はカウンター越しで愛菜の顔を見ながら
答えてくれるのを待った。


「怒らないでください。
クリーニング屋さんへいってたんです」

「クリーニング?」

「はい。
また、洗濯に失敗してしまって…
恭也さんのYシャツを…」


僕の心配はどこかへ消えた。

僕がいない間、愛菜が僕のために何かしてくれていることが嬉しかった。


ーーギュッ

「恭也さん?」

「気にしてないよ。ありがとうございます。」

キッチンにいる愛菜を
愛おしく思い、後から抱きしめた。


< 14 / 121 >

この作品をシェア

pagetop