僕の妻は理解不能


って過去を振り返ってる場合ではない!!


とりあえず、伝えなきゃ
愛菜に…

「ごめんね、愛菜
僕は楽しいよ。ずっと、心の中で突っ込んでたんだ!」

愛菜の顔は寂しいままだった。




パンダゾーンを過ぎ
ベンチに座った。

「ごめんね、ほんとに楽しいから!」

「ほら!愛菜!ジュース買ってきたよ!」

「今日は暑いねー
もう少し風が吹いてもいいのにねー」

ずっと、愛菜は黙ったままだった。
さすがに何も言わない愛菜にすこしムカっとしてしまった。


「愛菜、何も言わなきゃ分からないよ。
言葉はねキャッチボールと一緒だよ。」


すると、下を向いてた愛菜がやっと
こちらを見た。

「恭也さん、言葉が返ってこないのは
寂しいでしょ?」




その時に気づいた。
さっきと逆じゃないか。


愛菜もこんなふうに返ってこない
ボールをずっと待っていたんだ。

ボールが返ってこなけらば
次がないのに、何度も何度も
そんなことしていたら
悲しいに決まってる。


「愛菜、やっと分かったよ。
ありがとう。

でも、本当に僕は楽しいんだよ。」

そう笑うと愛菜は口角を上げて
ニヤリと笑った。


「じゃあ、あれ食べましょ!!」


愛菜が指さすのは
路上で売ってるアイスだった。

「仕方ない、
食べたら次の動物見ようか。」



愛菜のことを子どもだと思っていたが
ぼくのほうが大人気なかったみたいだ。


この子の影響力は本当にすごいなぁ…


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