僕の妻は理解不能


辺りは真っ暗になっていて
公園の街灯だけだった。

でも、街灯の下にいた彼の様子ははっきり見えた。



僕よりも若そう…


「拓翔くん…」

はるちゃんが呟きながら歩き出した。
僕達も後ろから追いかけるように歩いた。



「あ、春奈!

え、後ろの方たちは?…」

びっくりより
彼の引きつった顔


「拓翔くん、今日はまず聞きたいことがあって…」


ーーー?!


いきなり街灯が消えて
本当に何も見えなくなった。


愛菜もはるちゃんも戸惑っていた。


でも、正直僕は気付いていた。
家を出たあたりだろうか。


『7時に噴水公園で待ち合わせ』


僕らが20代の時は流行っていた。



「うわぁ…
すごい綺麗!!はるちゃん!」

「え、噴水にイルミネーション?…」



はるちゃんの彼がはるちゃんの前に来て
膝をついた。

「拓翔くん?」

「春奈…
俺は今まで女の人は遊びの道具だと思っていた。

でも、君は俺に毎日新しいものを沢山くれた!!

ありがとう。」

はるちゃんは気付いたらしく
涙を流していた。

「俺と結婚してください。」





きっと、愛菜たちの世代は知らないだろう。
プロポーズするなら

『7時に噴水公園で待ち合わせ』


少し離れたところで見てた僕は
愛菜と結婚した時を思い出した。


「よかったね、愛菜。」

隣にいる愛菜を見ると泣いていた。

本当に友達思いの言い子だなぁ…
もしかして、愛菜が天使だから
2人が結ばれた?!


なんて、妄想を少し繰り広げていた。

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