Larimar -麟桜-
「紅杏〜、用意出来たか?」

あっ、やば!

「ちょっと待って!もう終わるからー!」

そう言い新しい制服へ腕を通すと、グレーアッシュの長い髪を専用のあみで包み、黒のウィッグを装着。そして高い所で結び、元々青い瞳を黒のカラコンで隠す。

そして準備は完っペキ!

「よしっ!!」

そう意気込み、部屋から出ると甘〜いフレンチトーストの匂いとサッパリとしたアールグレイの匂いが香ってきて私の心はロックアウト。

「おいしそ〜!!今日はアールグレイなんだね! ねえねえ!もう食べていいの?」

そう聞くと作ってくれた本人、海兄が満面の笑みで

「あぁ。たくさん食えよ!お代わりならたくさん用意出来てる。」

「やったー!!! いただきまーす!」









…おいひぃ。甘いフレンチトーストにアールグレイの紅茶…流石海兄だ。


実は海兄は料理がとっても上手!!イタリアンから洋食和食。中華料理や韓国料理まで完璧に作りこなす我ながら自慢の兄である。

そしてなんと、それだけではなく…

私が6歳の時、お父さんに連れて行かれたCafeで紅茶にハマり、それを知ったお兄ちゃんは紅茶の葉を猛勉強。


前日の私の体調を見て明日の朝の紅茶はどれかを判断しているらしい。

ちなみに毎回完璧な組み合わせで出てくるので、その辺のCafeに行くより100%いい。
< 10 / 18 >

この作品をシェア

pagetop