人形師と武士(もののふ)~魔女の瞳番外編~
人形師の蘭花に亡者達と戦う力はない。

ならば連中の相手はやはり俺という事になる。

蘭花はこのような事態に備えて俺の魂をこの人型に定着させたのであろうし。

俺とは無縁の闘争とはいえ、婦女子に迫る危機を見過ごす訳にもいかぬ。

「蘭花、何か得物はないか。刀でも槍でも何でもいい」

俺は武士だ。

無手でも戦えぬ事はないが、やはり得物があった方がその実力を十二分に発揮できる。

「それでしたら」

蘭花が言う。

「時貞様の右の掌を見てください」

「掌?」

言われるままに見る。

…俺の右の掌には、小さな紅い魔方陣が描かれていた。

刺青に近いような形で描かれたそれは、擦った程度では消えるのものではない。

「これは…?」

「時貞様の魂を人型に定着させる際に、メグさんが施したものです。その魔方陣を地面にかざして、強く念じれば、時貞様の『相棒』が召喚される筈です」

「……」

成程、俺の『相棒』か。

「承知した」

俺は蘭花に頷いた後、素早く行動に移った。

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