人形師と武士(もののふ)~魔女の瞳番外編~
まるで吹き飛ばされるかのように。

俺の攻城刀の剣捌きによって亡者どもは再び葬り去られる。

圧倒的な剣腕。

ただ数に任せて食らいつくしか能のない死者達では、俺の太刀筋に対抗できる筈もなかった。

洋館の周囲は、たちまち両断され、千切れ飛んだ屍の山に埋め尽くされ、凄惨な光景となる。

「な、なにをしているの!相手は一人よ!数で押し包みなさい!」

叫ぶ菊花。

しかし。

「無駄だ」

屍に包囲されたまま、それでも余裕の表情で、俺は攻城刀を肩に担いだ。

「魂なき屍など、何体いようと人型以下…我が攻城刀を止める事などできはせぬ」

そう。

誇り高き魂があってこそ、兵は輝くのだ。

命なき亡者の群れは、やはり亡者以上にはなりえぬ。

「菊花。これ以上は意味がない。亡者どもを退け。後は悪いようにはせぬ」


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