人形師と武士(もののふ)~魔女の瞳番外編~
「……」

俺の問いかけに、蘭花は表情を曇らせた。

「私にも、まだ迷いがあるのですが…」

そう前置きして。

「戦ってほしい…相手がいるのです」

「戦ってほしい…?」

倒してほしいでも、殺してほしいでもなく、戦ってほしい。

曖昧な蘭花の物言いが少々解せなかった。

「どういう意味だ?お主は何と俺を戦わせる気だ?」

「……」

蘭花は言葉に詰まる。

…その時だった。

「……!」

俺は外の気配の変化に気づいた。

「蘭花…俺に戦わせたいというのは…外にいる無粋な殺気を放つ、あの連中の事か…?」




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