ひとりぼっち
『春なのに寒い…』


椿沙は寒いのが苦手だ。
だからといって暑いのが好きなわけでもない。

なんとも言えない曖昧な椿沙。


「つぅーばぁーさぁぁぁーっ!!!」


大声で椿沙の名を呼ぶ活発そうな少女。

おろしたてのセーラー服を気遣いながら椿沙の元へ一目散。

椿沙は『またか』と言わんばかりに嫌な顔をした。


「やだぁ~っ椿沙不機嫌?新しい世界の始まりなのにぃ~っっ」

やたらとテンションの高い少女。
体育館を見つめた瞳がキラキラと輝きを増す。
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