変わる想いを貴方に捧げる

···さようなら


その日の夜中
鈴音は、和真の病室に来た。

ベッドに眠る和真を見て
涙が溢れ出すが・・・
「かず‥‥まさんっ
私の事は‥‥このまま忘れて
幸せになって‥‥くだ‥さいっ
さよ‥う‥‥ならっ‥‥」
と、言って和真の手にそっとさわった。

それから、一礼して
病室をでた。

和真の病室を出ると
直ぐに抱きしめられた。

びっくりして
声が出そうになった鈴音だが
「泣けばよい。
苦しいなら、いつでも頼れ。」
「たく‥ま‥さんっ」
鈴音は、拓真の腕の中で
涙が枯れるまで泣いた。

「拓真さんっ、ありがとうございます。
これで、きちんと“さよなら”できました。
でも、私が来るとなぜ?」
「なんとなくだ。
なんかあったら、いつでも頼ればよい。」
と、拓真さんは言ってくれたが
私は首を横にふり
「ありがとうございます。」
と、だけ言って病院をでた。

拓真自身もやるせない気持ちだった。
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