情熱的に愛して
「別に?」

「本当は、聞きたいんだろ。」

「いや?」

私と門馬は、見つめ合った。


「……少しだけ、聞きたいかも。」

「教えてあげなーい。」

門馬は、そう言って笑った。

「なによ。そっちが言ったんでしょ。」

門馬が、笑っている。

「そうだっけ?」

なんか、それだけで楽しい。

「そうだよー。」

私も釣られて、笑ってしまった。


その後、微妙な空気が流れた。

「もう、気になるから話して。」

私が言うと、門馬はビールを一口飲んだ。

「俺もさ……若かったんだ。」

「うん。」

「年上の人と付き合うのは、初めてだったし。」

「うん。」

「職場恋愛も、初めてだったし。」

「うん。」
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