情熱的に愛して
そして、4時間後。

門馬は帰って来た。

「ただいま。」

「おかえり……」

帰って来た門馬は、ほんのりお酒の匂いがした。


「誰と、飲んで来たの?」

「えっ?」


門馬は、キッチンにあったハンバーグを見つけた。

「まだ、夕飯食べてなかったのか?」

「うん。」

すると門馬は、私の側にやってきた。

「ごめん。連絡すればよかったな。」

「いいよ。私達、結婚している訳じゃあ、ないんだし。お互い自由なんだし。」

私は、自分の顔を両手で覆った。

だったら、『誰と飲んで来たの?』なんて、言う理由もない。

悲しい。

ここまで、待っていた私の時間は、何だったんだろう。


「いや、もっと気づけばよかった。」
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