私も彼に愛されたい!


「…で?なんで流川に借りないで近くの奴に借りたのよ」

授業中、自由席なため私の隣には朱莉。

只今、事情聴取中。

「いやぁ…呼んでも来てくれなくて…
焦ってたので近くの人に強引に…」

「それ、流川見てたの?」

「どうだろう。見てないと思うよ。
私のことなんて興味ないと思うし…」

さっきの態度を思い出し、
だんだん悲しくなってくる。

「いや、チャンスかも?」
「え?」

チャンスとは?

「誰に借りたの?」
「えっとねー。九条 梓(くじょう あずさ)くん?」

………

「「誰?」」

朱莉と声がハモり笑い出す。

「おら、そこ!うるせぇ!!!!」

先生に怒られても笑いが止まらなかったのだった。



< 9 / 143 >

この作品をシェア

pagetop