十人十色恋模様

お願いだから、こっちを向いて

遠野くんと初めて会ったあの日以来、私は海斗くんに会わないようにしていた。


それにはいろんな理由がある。


遠野くんを彼女だと勘違いをして迷惑をかけたこと。


それからいつも海斗くんを見つけては、全力で想いを伝えていたこと。


海斗くんはいつも私のことを迷惑だと思っていた。


彼は確かに迷惑と言った。


もうきっと私には希望がない。


本気で迷惑だと思っている人に、何食わぬ顔で近づけるほど私は強くなかった。
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