十人十色恋模様
「待って!!」


彼女の背中に向けて声をかける。


どうしよう。


振り返ってくれない。


「あの!!」


急いで彼女の元に駆け寄る。


悪い印象で終わらせたくない。


そんな気持ちが俺を行動を急かす。


「待ってくださいっ!!」


やっと彼女に追いつき、咄嗟に手を掴んだ。


「え!?あ、あの!?」


「呼び止めてしまってごめんなさい。でもやっぱりこんな機会滅多にないから!」


「えっと……?」


困惑する彼女に向かって俺はこれまでの経緯を話そうと思った。


「俺が原因っては理由があって。その、聞いてもらえませんか?」


きっと俺の顔は真っ赤だ。


でもそんなの気にしてられない。


「……はい」


木山さんがそう答えたので俺は事のあらましを説明した。
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