十人十色恋模様

彼との接点

「……の、い……の、壱乃!!」


「は、はい!?」


「私の話聞いてた?」


やば……。


全く聞いてなかったなんて言うと、彼女、今野双葉(コンノフタバ)は不機嫌になるので、そこは言わない。


ニカッと笑顔を向けてこの場を乗り切ることにする。


「そんな笑顔を向けても聞いてなかったことバレバレだから」


「やっぱり?」


どうやら長年の友人はお見通しだったらしい。


「それで?今日はボケーッとして一体どうしたの?」


「いや別に」


「別にってレベルじゃないでしょう!」


早く話せと言わんばかりに、キラキラとした瞳が私を見る。


「……はぁ」


観念した私はことのあらましを双葉に話すことにした。


あ、もちろん名前は伏せるけど。
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