【完】雨恋〜雨上がりの空に恋をする〜
WEEK.3

「3週間、ありがとうございました。この経験を生かして立派な教師になれるよう頑張ります。」


教室中が拍手の音で埋め尽くされる。
今日、先生が教育実習の期間を終え大学へ戻る。
最後の日、先生と当たり前のように会える最後の日。
私の心臓は、いつになく暴れていた。


最後のあいさつも終わり、終礼が終わる。
そわそわしている私のもとにみっちゃんがやってきた。


「最近帰るの早いけどなにかあるの?」


「別になにも。」


「なにかあるでしょ。」


「……先生に。」


「先生に?」


「先生にプレゼント用意してて……。」


「プレゼント?なにそれ。」


「お、まもり作ってて。」


「……健気過ぎて泣けてくるわ。」


「なによ!」


「いや、雨は手先器用だし。いいんじゃない?」


「いつになくみっちゃんが素直。」


< 21 / 31 >

この作品をシェア

pagetop