【完】スノードロップ ~希望~
「?どうしたの?悠真」

今の声は聞こえてたらしく、柚季が後ろを振り返って尋ねてきた

「いや、なんにもねぇーよ……」

「そう?」

悠真の返答に何も疑問を抱かずに、再び前を向いて歩きだした

「ふぅ~」ボソッ

「バカね」ボソッ

「うっせー」ボソッ

しばらく、沈黙が続いた

そして、それを先に破ったのは悠真だった

「あいつ、全然気づいてねぇーよな」ボソッ

「あいつって、奏多?」ボソッ

「奏多以外、誰がいんだよ」ボソッ

「で?」ボソッ

「あんだけ柚季が溺愛してんのに、よく気づかないよなって」ボソッ

「仕方ないわよ。奏多は鈍感な上に、恋愛の意味がわかってない……=恋愛感情、ない奴だから」ボソッ

「なさすぎにも、ほどがあんだろ」ボソッ

だから、仕方ないって
< 21 / 97 >

この作品をシェア

pagetop