【完】スノードロップ ~希望~

私の日常は、ほんとに自由な感じ

「あっ、悠真と奏多、どっちかの奢りね」

「まじか……」

「柚季になら、奢れるぜ」

「この変人」

「誰が変人だ!」

「悠真」

「なんだと!待てっ、こら!」

「べーっだっ!」

「待て!」

恒例の菜々美と悠真の追いかけごっこが始まった

「クスクス。元気だねー」

「だな」

こんな毎日を普通に過ごしてきたのに、とっても特別に思える

菜々美と悠真と奏多でわけっこするのも、一緒に遊ぶのも、一緒にしゃべるのも、こんなに毎日が幸せだったんだなって思う

こんなこと思ったの初めて

こんなに毎日がキラキラしてたなんて……

思ってもみなかった

今になって、余計思う

もっとみんなと一緒に生きたいって

ずっと一緒にいたいって

誰1人欠けることなく、過ごしたいって思う

なんで、それが叶わないの?

どうして?

私はあの時、思った

1人も欠けずに、ずっと一緒にいたいって

願った

願ったけど……

叶わなかった

1人、欠けちゃった

ある人のせいで
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