【完】スノードロップ ~希望~
「……それが何?私はあの子が憎くて憎くて仕方がないの」

「……どうして?」

私には彼女がそこまで憎しみを抱く理由がわからなかった。

「私は復讐者だから」

「復讐……者?」

「……いい機会だし、誰にも言わないんだったら、話してあげる」

「……」

彼女は神社の中をぐるぐると歩き始めた。

「私には、双子の妹がいた。いつも一緒で、仲良しだった。そんな妹は体が弱くて、いつも苦しそうにしていた」

境遇が柚季と似てる……。

「そんなある日のこと。その時、私は10歳だった。急に琉衣(るい)が倒れて……。その時、両親が出かけてていなかったから、救急車を慌てて呼んだ。でも、琉衣じゃなくて、あの子を助けた。その後、搬送先の病院で亡くなった。すべてはあいつのせい。琉衣が死んだのはあいつのせいなのよ!」

彼女は今まで我慢していたものを吐き出すかのようにそう言った。

こっちにはかけたくなかったけど、思った通り。
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