冷たい君の不器用な仮面
「ねえ、レイ。」
しばらくマスターと雑談し、お客さんに呼ばれてマスターが席を外した瞬間、私はレイに声をかけた。
あれからレイはずっと不機嫌なままで、話そうとしない。
窓の外をじっと見つめているだけだ。
でも、決して帰ろうとはしないのは、きっとまた私を送ってくれるつもりだからだろう。
本当に、優しい。
一か月前、私のせいもあって事件になったのに。
そんなことなかったかのように接してくれるレイの不器用な優しさは、私の心に響いた。
……だからこそ。
レイのことをもっと知りたい。
もっと理解したい。
そう思う。
レイが抱えている事も。
複雑な事情も。
全部、知りたいと思ってしまうんだ。