冷たい君の不器用な仮面
「……!!」
私の体が、一気に強張るのが分かる。
……一番聞かれたくなかった事……
それを分かっていて、マスターはこのタイミングで尋ねてきたのかもしれない。
私はマスターからフッと視線を外し、うつむく。
……言うべきなのか。
こんなことを、大人に、他人に、言ってもいいものなのだろうか。
マスターは優しくて、人思いな人だ。
そんな人だから、つい自分のお父さんのように思ってしまう。
……そんなマスターだから。
…………そんなマスターだからこそ、一番言いたくなかったんだ…