冷たい君の不器用な仮面
あのバーで働けるなんて、これ以上にいいことはない。
あの店を辞めて、幸せなバーでバイトする。
そんなの今の私からしたら、喉から手が出るほど掴みたいチャンスだ。
でも
でも、これ以上マスターに迷惑をかけるわけにもいかない。
いくらなんでも、頼りすぎだ。
私は今、マスターの人思いで優しいところにつけ込んで、苦しいことから逃げようとしてる。
……心の奥の私が、そう私につぶやいた。
……そうだ。
私の人生なんだ。
自分の力でどうにかしなきゃ。