私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

「季龍、お前はこの件から降りろ」

「は?」

「お前は臆病になりすぎた。邪魔だ。出ていきなさい」

容赦のない言葉は、季龍さんを傷つけていく。

その言葉を向けられる季龍さんも、何を言われたのかまるで分かっていないように呆然としていた。

先に動いたのは平沢さん。季龍さんの腕をつかみ部屋から出そうとする。

「待ってくださいッ!!」

平沢さんの手を掴む。平沢さんは驚いたように私に視線を向けてきたけど、すぐに源之助さんに視線を戻す。

「乗ります!思い出します!!…でも、季龍さんにそばにいて欲しいです」

「…」

「お願いします」

理由は分からない。…でも、そばにいて欲しいのは本当。どうしてかは、言えないけど……。

ただのわがままだ。でも、ここで季龍さんが切られるのは、怖いと思った…。
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